3−そのかみ合わせは、顎の自然な動きと協調していること
下顎が動き、上下の歯があたることが咀嚼です。顎が最も自然で無理のない動きで上下の歯があたったとき、1の咬み合わせになっていることが重要です。たとえば、出っ歯な方は、顎を前に出せば、出っ歯ではなくなります。しかし、この前に出すという運動を繰り返し行うことで、頭痛、肩こりがしたり、顎の関節構造に問題が生じることがあります。歯が安定する位置と同様に、顎の位置も考えられた治療が行われる必要があります。
咀嚼運動は、下顎が頭の骨と関節構造を持ち、下顎が筋肉に引っ張られて、開いたり閉じたりする運動により行われます。下顎が閉じる方向の終点は下顎の歯が上顎の歯と当たるところで、そこで上の歯と下の歯が強く当たり食物を粉砕します。
この時、かみ合わせのずれがある場合、歯と歯がより効率よく当たるように下顎の位置がずれる事があります。この場合、最も自然に動くことが出来る関節の位置からずれることになり、咬む力以外の負担が顎の関節にかかることになります。
一日に数千回行われるとされる顎の開閉運動が生涯に渡りスムーズに行われるためには、関節が健康でなければなりません。歯の無理な位置での排列では安定が得られないように、顎の関節も、無理な位置での咀嚼運動の繰り返しは、顎にとって都合の良い事ではありません。
場合によっては、痛みや顎が開けにくいなどの症状が引き起こされる事もあります。上下の歯が効率よく咬めるように下顎が合わせるのではなく、下顎が無理なく繰り返し開閉運動が出来る位置で、上下顎の歯が機能的な咬み合うことが重要なのです。
このように、機能的なかみ合わせは歯の位置だけを考えれば達成できることではなく、顎の運動も、考えなければならない重要な事の一つなのです。 |
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