矯正歯科 岡崎市かない矯正歯科医院

木曜・日曜・祝日休診 AM10:00~PM1:00 PM2:30~PM7:00 0564-25-0505

矯正治療は早く始めた方が良いの?

その矯正治療は何のため?

矯正治療は便宜的に
Ⅰ期治療:
永久歯が生えそろう前の治療。予防矯正あるは小児矯正とよばれる
     こともあります。 6−10歳頃の治療
Ⅱ期治療:
永久歯が生えそろってからの治療。 12歳以降の治療

に分けられ説明がされることが多いのですが、通常以下の3つの 治療方針になることが多いです。

(a)Ⅰ期治療は必要。その治療結果、Ⅱ期治療は必要ではなくなる  
(b)Ⅰ期治療の有益性は見いだせない。Ⅱ期治療まで待って、1回で治療を行う  
(c)Ⅱ期治療が中心となるが、Ⅰ期治療を行い準備をしておくことで、Ⅱ期治療に利益がもたらされる(歯周組織に対する配慮、治療期間の短縮、治療結果の質の向上など)

治療開始時期にかかわらず、矯正治療のゴールは、永久歯・永久歯列が健康的で美しい状態であることには変わりはありません。永久歯列の治療であるII期治療はその結果が直接治療のゴールと結びつくものですから、理解しやすいのですが、I期治療は、その治療後に永久歯の生え替わりを経て、また旺盛な顎骨の成長発育によるその位置や対向関係の変化を経験した後に永久歯列の状態となるため、その治療結果が治療のゴールとどのように関係するのか良く考えられた上で行われなければ、ただその時のための治療となりかねません。

Ⅰ期治療



Ⅱ期治療

永久歯の前歯が出てきたらでこぼこになった。それをきれいにそろえた。しかし、永久歯の生え替わりが進むうちに再びでこぼこになり、永久歯列にはえかわったとき(第二大臼歯まで萌出)には、奥歯のかみ合わせや、口元に問題が生じた。というのでは、前歯のでこぼこをそろえたというⅠ期治療の有益性は見いだせません。

Ⅰ期治療はⅡ期治療と比較し、使用する装置が簡便であり、具体的な治療の対象範囲が狭いことも多いため、簡単に行うことが出来ます。しかし、その後の歯の生えかわりの様子や、成長発育による顎の大きさや位置の変化を理解した上で、Ⅰ期治療が最終的なゴールである第二大臼歯まで含めた良質な永久歯列のかみ合わせに、どの様な影響を及ぼすことができるのかを理解したうえで行われなければ、有益な治療結果を得ることは難しくなります。決して簡単な、部分的な治療ではなく、総合的な診断・治療計画に基づいて行われるべき治療なのです。Ⅰ期治療だから出来ることと、Ⅱ期治療に委ねなければならないことがあります。その正確な判断がなければ、やみくもに治療期間ばかり長くなり、効率の良い治療とはいえず、ただ患者さんの負担のみが増えるばかりです。

これらの理由から、当医院では、「矯正治療は早く始めた方が良いのですか?」というご質問には、「何か気になることがあるのならば、早く管理をお受けになることをお勧めします」と説明をしています。成長発育による変化を知るには横顔のレントゲンが必須です。検査・診断により、Ⅰ期治療、Ⅱ期治療を通じた治療計画を立案することが出来、その治療計画により適切な時期に適切な治療を効率よく行うことが可能になるからです。


乳歯列での矯正治療

当医院では、乳歯列における矯正治療は行いません。乳歯列にみられる問題のほとんどはⅠ期治療で充分に対応できると考えています。また、永久歯列に生え替わる際に自然治癒する事もあるからです。
乳歯列期の小さなお子さんの治療はどうしても治療期間が長くなる傾向にあり、治療結果と治療による患者さんの負担を考え合わせると、乳歯列期のⅠ期治療により得られる患者さんの利益は少ないと考えているからです。

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一般社団法人日本歯科矯正専門医学会
与五沢矯正研究会