矯正歯科 岡崎市かない矯正歯科医院

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どうなればいいの?

当医院の考える矯正治療のゴール

矯正治療は前歯のでこぼこをきれいにして、はいおしまいというものではありません。 生涯にわたって、健康で美しく機能的な歯並びを獲得することを目的とする医療です。そのためには考えなければいけないことがたくさんあります。


1−上下の歯が機能的に咬み合ってあること

歯の最も重要な役割は物を食べること、つまり咀嚼する事です。咀嚼が効率よく行われるために、歯が咬み合った時、上下の歯がなるべく多くの接触を持つことが重要です。歯は、その種類により形も大きさも違い、上下の歯がきれいに並ぶとのこぎりの歯のように山と谷が出来ます。上顎に出来た歯の谷には下顎の歯の山が、上顎の歯の山は下顎の歯の谷に咬みこむのが理想的です。この様な上下の歯の山と谷の関係がきちんと一番後ろの奥歯(第二大臼歯)から出来ていれば、よほど歯の大きさの問題がない限り、前歯のかみ合わせも理想的な状態になることが多いのです。

上顎、下顎それぞれに歯をきれいにそろえることはそれほどむつかしいことではありません。しかし、この様な理想的なかみ合わせを作ろうとした場合、歯を「きれいに並べる」だけではなく、「歯をどこにきれいに並べる」かを計画された治療が行われなければなりません。ひとの顔の形や大きさは皆さん違いますから、顎の大きさや形も様々です。上顎が下顎より少し前にある場合、歯をきれいに並べるだけでは、きれいな歯並びの出っ歯になってしまいます。奥歯のかみ合わせも山と谷の関係にならないことがほとんどです。上下顎の歯を上下顎の前後的な位置の差だけ移動させないと理想的なかみ合わせは出来ないのです。

治療前
  矢印
治療後

2−そのかみ合わせが、長期的に健康的な状態を維持できること

歯はその根(歯根といいます)を顎の骨の中で支えられ、咬み合う力を発揮します。人は1日に数千回も口を開けたり閉じたりするといわれています。また、堅い食物をかみ砕く際には奥歯には平方センチあたり数十キロの力がかかるといわれています。歯科矯正治療によって出来上がったかみ合わせが、この様な負担の繰り返しに対して、長期的に健康的な状態を維持するにはまず、排列された歯がその位置で長期的に健康的な状態を維持出来なければなりません。そのためには、咀嚼するたびに大きな力を受けても安定が維持される位置、つまり歯根が骨の中央に排列され骨にしっかり支えられ、咬む力の方向に沿った位置づけがされている必要があると考えています。
例えば、でこぼこをきれいにするために拡大という方法がとられることがあります。症例によっては有効な方法ですが、しかし過度な拡大がなされると(矯正装置により、とても安定を得るには無理な位置にでも、歯を一旦は動きます)、歯は顎骨の外側に排列されます。あるいは、歯が外側に傾きます。この様な状態で長く咀嚼運動を続けると、歯ぐきが下がるなどの歯周組織に問題が生じることがあります。また、外側に押し出された歯は内側に、傾いた歯はまっすぐにその位置を変えようとし、もとの状態に戻ってしまう事も多いのです。
きれいに並ぶだけではなく、どこに並ぶのが良いのかを考えないと、良質な治療結果は得られないのです。

開始時28Y10M
  矢印
終了時31Y1M
  矢印
予後観察中38Y10M

3−そのかみ合わせは、顎の自然な動きと協調していること

咀嚼運動は、下顎が頭の骨と関節構造を持ち、下顎が筋肉に引っ張られて、開いたり閉じたりする運動により行われます。下顎が閉じる方向の終点は下顎の歯が上顎の歯と当たるところで、そこで上の歯と下の歯が強く当たり食物を粉砕します。この時、かみ合わせのずれがある場合、歯と歯がより効率よく当たるように下顎の位置がずれる事があります。この場合、最も自然に動くことが出来る関節の位置からずれることになり、咬む力以外の負担が顎の関節にかかることになります。
一日に数千回行われるとされる顎の開閉運動が生涯に渡りスムーズに行われるためには、関節が健康でなければなりません。歯の無理な位置での排列では安定が得られないように、顎の関節も、無理な位置での咀嚼運動の繰り返しは、顎にとって都合の良い事ではありません。場合によっては、痛みや顎が開けにくいなどの症状が引き起こされる事もあります。上下の歯が効率よく咬めるように下顎が合わせるのではなく、下顎が無理なく繰り返し開閉運動が出来る位置で、上下顎の歯が機能的な咬み合うことが重要なのです。
このように、機能的なかみ合わせは歯の位置だけを考えれば達成できることではなく、顎の運動も、考えなければならない重要な事の一つなのです。

上図は顎の関節の位置(赤矢印)は良いが、咬み合わせはやや前突傾向。 
下図は、顎を前に出したため、前突は改善されたが、顎の関節は前にずれ、過度に負担のかかる状態。
上図の顎の関節の位置で、下図の咬み合わせであることが理想的な状態で、矯正治療が目指すところ

前方咬合位-1
  矢印
前方咬合位-2

4−前歯が、顔と調和した位置で、自然な口唇閉鎖ができることにより美しい口元であること

顔との調和のとれた口元は美しく、その笑顔はとても魅力的だと思います。反面日本人の顎骨は奥行きが短く、また鼻や頤(おとがい)の発育が少ないという人種的形態的特徴から、口元が突出した方が多くみられます。口元が突出していると、自然な口唇閉鎖が難しく、常に口が開いている状態となりやすく、
また、無理に唇を閉じようとすると唇の形がひずみ、下あごにはいわゆる「うめぼし」のようなしわができます。
口元の形は前歯の位置と密接な関係にあります。突出した口元を、バランスのとれた美しい状態にするには、前歯を後退させることが必要です。でこぼこをきれいにするため、拡大が行われた場合、前歯は前方へ傾斜しますので、口元の状態を判断したうえで行われることだと考えています。
自然に口が閉じられて、鼻呼吸がしやすい環境をつくることも歯科矯正治療の重要な治療ゴールの1つだと考えています


この様なゴールに到達することは、矯正治療の持つ専門性から、歯科医師ならば誰でも出来ることではありません。そのための特殊なトレーニングを充分に受け、矯正治療に熟達した者が、患者さんと協力し始めて到達できることと考えています。

口唇閉鎖−治療前
  矢印
口唇閉鎖−治療後

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一般社団法人日本歯科矯正専門医学会
与五沢矯正研究会