矯正治療が終了し、長期的安定性の高い歯の位置で機能的で健康的なかみ合わせが獲得できました。次に考えることは、個々の歯の健康です。
虫歯や歯周病は、原因菌の分泌物により作られるバイオフィルムという物質が歯の表面に粘着し、その中に生息する原因菌により誘発されると考えられています。
バイオフィルムは粘着性が高いため、なかなか歯ブラシでは完全に取り除きにくく、また、取り残しのバイオフィルムの上には新たにバイオフィルムが形成され、ますます取りにくくなります。
当医院では、PMTCおよび3DSという方法によりこの問題に対応し予防処置を行っています。
PMTC (Professional Mechanical Tooth Cleaning)とは、歯科医師や歯科衛生士による特殊な器具を用いた、バイオフィルムの除去を意味します。
また、PMTCによりバイオフィルムが除去された後、3DS(Dental Drug Delivery System)により、抗菌剤、フッ化化合物を歯に作用させ、虫歯や歯周病に対する抵抗性を高めようという処置です。
3DSではその方の歯列にぴったり合ったマウスピースに薬剤を入れ、歯列に装着しますので、安全で確実に薬剤を歯に作用させることが出来ます。
この作業を定期的に繰り返します。
矯正治療中は、でこぼこがあり、装置が装着されていますので、歯磨きがとてもしにくい環境です。
そのため、来院時には、歯科衛生士により歯磨きの指導を繰り返し受けていただきます。
治療終了後のきれいに揃った歯並びは歯磨きがしやすくなり、繰り返し行われた指導により上達した歯磨きにより、口腔内のメインテナンスがご自身できちんと出来ることが可能になると考えています。
また、その上でPMTC、3DSを定期的に処置することで、長く健康的な状態を維持していただけると考えています。 |