2−そのかみ合わせが、長期的に健康的な状態を維持できること
歯は骨に支えられて、咬む力を発揮します。咬む力を受け止め、健康な状態を長く維持するためには、歯は骨の中央で支えられ、その向きは咬む力の方向であることが重要であると考えています。歯を抜かないために、拡大され歯列では、歯が骨の中央から外れていたり、外側に傾いてることが多々見られます。
歯はその根(歯根といいます)を顎の骨の中で支えられ、咬み合う力を発揮します。人は1日に数千回も口を開けたり閉じたりするといわれています。
また、堅い食物をかみ砕く際には奥歯には平方センチあたり数十キロの力がかかるといわれています。歯科矯正治療によって出来上がったかみ合わせが、この様な負担の繰り返しに対して、長期的に健康的な状態を維持するにはまず、排列された歯がその位置で長期的に健康的な状態を維持出来なければなりません。
そのためには、咀嚼するたびに大きな力を受けても安定が維持される位置、つまり歯根が骨の中央に排列され骨にしっかり支えられ、咬む力の方向に沿った位置づけがされている必要があると考えています。
例えば、でこぼこをきれいにするために拡大という方法が良くとられます。とても有効な方法ですが、過度な拡大がなされると(矯正装置により、とても安定を得るには無理な位置にでも、歯を一旦は動きます)、歯は顎骨の外側に排列されます。
あるいは、歯が外側に傾きます。この様な状態で長く咀嚼運動を続けると、歯ぐきが下がるなどの歯周組織に問題が生じることがあります。また、外側に押し出された歯は内側に、傾いた歯はまっすぐにその位置を変えようとし、もとの状態に戻ってしまう事も多いのです。
きれいに並ぶだけではなく、どこに並ぶのが良いのかを考えないと、良質な治療結果は得られないのです。 |
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