1−上下の歯が機能的に咬み合ってあること 歯がきれいに並ぶと、隣り合った歯との間で山と谷ができます。上下の歯が咬み合ったとき、上の山が下の谷に、上の谷が下の山にというように山と谷が交互に咬み合うのが、理想的な咬み合わせです。歯は、その大きさや形がそれぞれ違いますが、この理想的な咬み合わせになると、全ての歯がそれぞれの役割を充分に発揮できる環境となります。 歯の最も重要な役割は物を食べること、つまり咀嚼する事です。咀嚼が効率よく行われるために、歯が咬み合った時、なるべく多くの接触を上下の歯が持つことが重要です。歯は、その種類により形も大きさも違い、上下の歯がきれいに並ぶとのこぎりの歯のように山と谷が出来ます。上顎に出来た歯の谷には下顎の歯の山が、上顎の歯の山は下顎の歯の谷に咬みこむのが理想的です。 この様な上下の歯の山と谷の関係がきちんと一番後ろの奥歯(第二大臼歯)から出来ていれば、よほど歯の大きさの問題がない限り、前歯のかみ合わせも理想的な状態になることが多いのです。 上顎、下顎それぞれに歯をきれいにそろえることはそれほどむつかしいことではありません。 しかし、この様な理想的なかみ合わせを作ろうとした場合、歯を「きれいに並べる」だけではなく、「歯をどこにきれいに並べる」かを計画された治療が行われなければなりません。ひとの顔の形や大きさは皆さん違いますから、顎の大きさや形も様々です。上顎が下顎より少し前にある場合、歯をきれいに並べるだけでは、きれいな歯並びの出っ歯になってしまいます。奥歯のかみ合わせも山と谷の関係にならないことがほとんどです。上下顎の歯を上下顎の前後的な位置の差だけ移動させないと理想的なかみ合わせは出来ないのです。 |